保健師と看護師の違い
それぞれの役割と業務内容の違い
看護師と保健師は、医療・看護の現場で働くという点では共通しています。
いずれも保健師助産師看護師法に基づく国家資格ではありますが、それぞれの働き方や役割にも大きな違いがあります。
行政機関・学校・企業で働く保健師は、地域住民や従業員の健康管理を行うのがおもな仕事です。けがや病気を未然に防ぐのが保健師のおもな役割であり、保健師が医師からの指示を受けて治療にあたることはまずありません。
一方、看護師はケガや病気の治療に関わり、医師からの指示を受けて適切な措置を取ります。
これから保健師を目指すのか、看護師になるのか、どちらが良いか迷っている方は、それぞれの役割と業務内容について正しく把握しておく必要があります。その上で自分の適性について冷静に判断しましょう。
保健師と看護師の給料の違い
それでは、保健師と看護師の給料を比較するとどちらの方が高いのでしょうか。
保健師と看護師の勤務先や雇用形態によって違いがありますが、看護師の平均月収は約31万円、保健師は約30万円です。平均月収を比較する限りでは、看護師と保健師はわずか1万円程度の差がついている程度です。
しかし、病院やクリニックなどの医療機関で働く看護師の場合は、夜勤をともなうこともあります。夜勤をする場合は、夜勤手当が加算されるため、さらに給料が高くなります。一方、保健師の場合はケガや病気の治療や看護を直接行うことはないため、夜勤をともなうことはまずありません。
しかし、2020年以降の新型コロナウィルスなどの影響により、検査に関わる業務の負担も大きくなっています。
保健所や保健センターに勤務する保健師は、感染症の流行などの状況により、業務量が大幅に増加した場合は残業時間が長くなることもあります。そのような場合には、残業手当が加算されます。